テレワークの導入のメリット・デメリットとは?【徹底解説】

  • 2020年8月15日
  • 2020年8月30日
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働き方が大幅に見直されている近年、テレワークという勤務方法を真剣に検討しはじめる会社が多くなりました。

しかし、もともと会社で行っていた業務を遠隔勤務に変えることは、会社側の不安も多いことと思います。

そこでこの記事では、実際にテレワークを導入するとどのようなメリットがあるのか紹介していきます。

デメリットと合わせて確認し、新しい働き方を取り入れるための参考にしてみてください。

1.テレワーク導入のメリット

テレワークには、以下のような7つのメリットが挙げられます。

  • 生産性向上
  • 業務効率化
  • 無駄な費用の削減
  • 優秀な人材の確保
  • ワークライフバランスを整えられる
  • 育児・介護と仕事の両立
  • ストレスの緩和

順番に解説していきます。

1-1.生産性向上

テレワークは、会社の生産性を大幅に向上することができます。

総務省は、テレワーク導入している会社と導入していない会社では、労働生産性が1.6倍異なると発表しました(参照:総務省「テレワークの最新動向と今後の政策展開」P.5 テレワーク導入と生産性向上)

会社員の中には、「オフィスだと周りに気を遣いすぎてしまう」「1人でいるほうが集中できる」といった、オフィスよりも自宅で勤務することを得意とするタイプの人もいます。

テレワークは、自宅に限らず、モバイルワークとして好きな場所で働くことが可能です。

会社のデスクに縛られる必要がなくなり、あらゆる角度からの生産性の向上が期待できます。

1-2.業務効率化

テレワークを導入する会社は、業務の効率性の向上を狙うことをいちばんの目的としています(参照:総務省「令和元年通信利用動向調査ポイント」P.7 テレワークの導入目的)

遠隔での勤務形態では、本当に必要な仕事内容だけが残ります。

テレワークでは、長時間におよぶ結論の見えない会議、通期の時間を大幅に削減します。

業務が習慣化してくると、行っている作業の非効率性に気づきにくくなってしまうもの。

実際、テレワークによって時間や作業のムダに気づくことができたという声もあがっています。

テレワークでは上司への報告義務がより頻繁に発生するため、タスクを見える化する意識が芽生えます。

「なんとなく出勤」というあいまいな目的意識をなくし、成果主義に軸足をうつすことで、会社全体の業務効率化を狙うことができます。

1-3.無駄な費用の削減

オフィスへの通勤では、以下のようなさまざまなコストがかかっています。

  • 会社員1人ひとりの通勤定期代
  • 会社員全員を収容できる広さのオフィスの代金
  • 資料共有のための用紙代、印刷代

これらは、テレワークによって削減が可能です。

通勤費は1ヶ月で1人あたり数万円かかっています。

電車や車で通勤している時間は、会社員の利益創出はあまり期待できません。

ムダなコストを抑えると、営業収益をそのまま成果へつなげることに役立ちます。

1-4.優秀な人材の確保

また、通勤時間を割ける生活環境ではないかもしれません。

テレワークでは、会社に合う高いスキルの人材を、より広く集めることが可能です。

以下のような人材は、テレワークとの相性が良いと予想されます。

  • 就業したいが、勤務地が遠いので今まで諦めていた人
  • 育児や介護などで一時的に通勤時間を割くことが難しい人
  • 他の仕事をしながら、パラレルワーカーとして幅広いスキルの提供をしたい人

コミュニケーションツールを確立できれば、面接もオンラインで完結できます。

1-5.ワークライフバランスを整えられる

家族のいる会社員の中には、長い通勤時間のために、同居している家族とコミュニケーションがとれない人も多いはず。

テレワークによって通勤時間をゼロにすることで、会社員のワークライフバランスを守ることに役立ちます。

家族とのコミュニケーション以外にも、「仕事後にすぐに家事に取りかかれる」「睡眠時間を確保できる」など、時間を有効活用できるようになます。

1日の時間は24時間と限られています。

社員のライフバランスが整うと、趣味の充実や仕事のスキルアップができるようになり、結果的に会社への貢献度が高まることもあります。

1-6.育児・介護と仕事の両立

出勤型の勤務形態では、育児や介護を理由に出勤できなくなり、やむなく退職してしまう人もいました。

しかし、退職すると収入の確保が難しくなるため、できれば続けたかったという本音もあります。

テレワークであれば、在宅勤務によってある程度の育児・介護との両立が可能になります。

週に1、2回など柔軟な働き方も取り入れると、家族の事情で勤務時間をあまり取れない人も参画できるようになります。

本当の意味での社員の多様化を実現でき、企業イメージの向上にもつながるでしょう。

1-7ストレスの緩和

テレワークは、対人ストレスを軽減できます。

また、個人の工夫次第で、各々に合った快適な勤務環境を作れます。

堅苦しいスーツではなく楽なTシャツを着て、自然が見えてリラックスできる窓のそばで、自分とって快適な室温で勤務できるなど、ストレス軽減のために柔軟な環境づくりができりようになります。

2.テレワークのデメリット

テレワークには、以下のような3つのデメリットも挙げられます。

  • コミュニケーションの減少
  • セキュリティの脆弱化
  • 社員マネジメントの難化
  • 勤怠管理の複雑化

それぞれに対する対策と合わせて解説していきます。

2-1.コミュニケーションの減少

実際に顔を合わせる機会が減るので、コミュニケーション不足になることが懸念されています。

テレワークの業務では、労働者側のある程度の自律性が求められます。

しかし、報告・連絡・相談は業務を円滑に進めるためには必要不可欠です。

コミュニケーションの量は、出勤型の勤務と同様に、会社側が常に注意しておく必要があります。

【コミュニケーションの減少にともなう対策】

日報の作成、また、それにともなうフィードバックをする環境を整えます。

これだけであれば、特別なグループウェアでなくても可能です。

メールやチャットなどを通じて、部下がコミュニケーションしやすい環境を整えましょう。

また、1週間に1度、上司と部下の1on1(状況把握や目的達成のための個人面談)をするのも効果的です。

個人面談は30分~1時間など短い時間で大丈夫です。

オンラインでも顔を合わせて話すことで、従業員の悩みや課題点をしっかりと聞きだせるようになります。

2-2.セキュリティの脆弱化

テレワークでは、家庭など外部のネットワークを使うことが予想されます。

そのため、機密情報の漏洩や詐欺にあうリスクには、しっかりと対策をとっておかなければなりません。

情報漏洩や重要情報の消失は、ものによっては多額の賠償問題へと発展してしまうこともあります。

テレワーク導入前に十分にとチェックしておきましょう。

【セキュリティの脆弱化にともなう対策】

総務省では、テレワークのセキュリティガイドラインを発表しています(参照:総務省「テレワークセキュリティガイドライン 第4版」)

総務省によると、情報セキュリティ対策は、「ルール」「人」「技術」のバランスが高く保たれている必要があります。

テレワークの導入ソフトを慎重に選び、社員へのセキュリティ対策の周知や、トラブル報告の義務を徹底して行いましょう。

また、中小企業の情報セキュリティ対策を支援する取り組みとして、以下のようなものがあります。

① SECURITY ACTION (独立行政法人情報処理推進機構(IPA))

IPA が公開している「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」に基づき次

の取組を行う旨の自己宣言をすると、SECURITY ACTION 各ロゴマークを自社

サイト等に掲示することができ、自社のアピールにつながります。

 「情報セキュリティ 5 か条」の実践・・・★一つ星

 「自社診断シート」に基づくセキュリティポリシーの策定・公開・・・★★二つ星

② 情報セキュリティ理解度チェック(NPO日本ネットワークセキュリティ協会)

「電子メールに関する知識」「インターネットの利用法」「ウイルスに関する知識」

「パスワードの管理」など、テレワークを行う上でも重要なセキュリティ知識を従

業員がどの程度理解しているかの自己チェック環境を提供しています。
(引用:総務省「テレワークセキュリティガイドライン 第4版」P.7 コラム)

セキュリティ意識の徹底したテレワーク業務は、社内のみならず社外へのアピールにもなります。

テレワークの導入を良い機会として、さまざまな角度から会社の取り組みを強化させることができます。

2-3.社員マネジメントの難化

オフィス内で一緒に仕事をしている時は、普段の何気ない会話やしぐさから、社員のモチ

ベーションを推測することができました。

しかし、テレワークの場合、今までの方法のままでは細やかな社員マネジメントが難しくなります。

テレワークには、個人の時間管理やモチベーション管理のスキルが求められます。

しかし、社内の中にはそのような自己マネジメントを不得意とする人もいるでしょう。

在宅勤務に適した方法で、社員マネジメントを行っていく必要があります

【社員マネジメント難化にともなう対策】

上司・部下ともにタスクの見える化を徹底します。

「今日1日、自分は何を達成すべきなのか」「同僚や上司は同じ時間にどんな仕事をしているのか」を知っておき、共有しておくことが大切です。

これにより、日々の目的意識がはっきりとするためモチベーションの維持が期待できます。

また、上司の状況を知った上で報告や相談をすることができるため、部下がコンタクトの時間に配慮しすぎて結局情報を伝えそびれる、というリスクを減らすことができます。

また、コミュニケーションの機会を多くすることも、社員マネジメントの強化に役立ちます。

1 on 1に限らず、オンラインで雑談できる機会を設けるなど、さまざまな取り組みができます。

テレワークは最初こそ慣れないことに戸惑うかもしれませんが、画面越しにコミュニケーションすることならではの強みもあり、成果主義で腹を割ったマネジメントを実現できる可能性も広がっています。

2-4.勤怠管理の複雑化

テレワークは、極論を言えば、寝食以外の時間を全て仕事に費やすこともできる手法です。

9:00~18:00以外のさまざまな時間帯の働き方ができ、自由度が高まります。

しかし、勤務時間は基本的には8時間程度。

雇用契約より多すぎても少なすぎても問題になります。

出社形態の時よりも、社員の勤務時間をしっかりと把握しておく必要があります。

【勤怠管理の複雑化にともなう対策】

まずは、雇用契約書をよく確認した上で、勤務の開始時間と終了時間をはっきりとさせましょう。

自宅などの仕事場所にカメラを設置する会社もありますが、毎日の出退勤時間をチャットなどで報告するだけで社員の意識は高まります。

会社が多様な働き方に柔軟に対応していけるかどうか、世の中から問われているタイミングともいえます。

3.まとめ

テレワークのメリット・デメリットについて紹介してきました。

テレワークの導入には、以下のようなメリットがあります。

  • 生産性向上
  • 業務効率化
  • 無駄な費用の削減
  • 優秀な人材の確保
  • ワークライフバランスを整えられる
  • 育児・介護と仕事の両立
  • ストレスの緩和

これらは、企業と会社員の双方にとっての働き方改善につながります。

デメリットに関しては、「コミュニケーション」「セキュリティ」「マネジメント」の難しさが挙げられます。

しかし、テレワーク導入が進む昨今では、多様な対策方法を見つけられます。

今回の記事を参考に、ぜひそれぞれの企業に適したテレワークという働き方を見つけてみてはいかがでしょうか。

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